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「点呼を全く実施していない」

今回は「点呼を全く実施していない」について取り上げる。

累積違反点数が0であっても即事業停止や取消の対象となる違反のひとつである。とはいっても、少なくとも事業許可を受けてトラック事業を経営している事業者の中に、「点呼を全く実施していない」業者なんかいるのか?と不思議に思われるかもしれない。

しかし、現実にお役所や適正化事業実施機関が監査や指導にいくと、意外にも存在するというのだ。では、保有車両の全車両について点呼がされていないのだろうか。事業停止の要件の中でも、「全運転者に対して点呼を全く実施していない場合」となっているが、そのようなところはまずないのではと思われる。

しからば、どうして点呼を「全く実施していない」となるのだろうか?

国土交通省の通達によれば、
「点呼を全く実施していない」とは、事業用自動車の日常点検の実施又は確認の報告、酒気帯びの有無及び健康状態の確認並びに事業用自動車、道路及び運行状況の報告等乗務前及び乗務後の点呼並びに乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務における当該乗務の途中における点呼において実施すべき点呼項目が全く実施されていない場合をいう。」
とされている。

額面通り読む限りでは、いくつかの項目が抜け落ちていたとしても、すべての項目が実施されていないという事例はないのではないかと思うところである。
しかし、先ず問題とすべきは、そもそも点呼簿というものがあって、点呼を実施した内容が正しく記載されているかどうか。また、長距離運行などの場合であって、通達の表現を借りれば「『乗務前及び乗務後の点呼並びに乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務における当該乗務の途中における点呼』についての記録があるかどうか。」がポイントとなりそうだ。

もともと点呼というものは、会社の業務連絡とは内容を異にするものである。重複する項目もあるが必ずしも一致しないものであろう。法令上に定められた点呼の内容をすべてクリアするのはなかなか難しい。さらに実施した内容を正確に書き留めるには、やはり慣れも必要だろう。

点呼をするということは、法令で定められた項目を「いつ、だれが、どこで、なにを、どのように、(何故)」実施し、その内容を記録し、保存して初めてクリアしたことになる。
特に重要なことは、記録するという行為である。記録してなければ、いくら点呼をやっていると言ったところで信用はしてもらえない。当然と言えば当然なのだが、これが本当にしっかりできているかというと???になってしまう。

さらに違反行為と日車数の関係で言えば、記録なし=記載事項の不備=記録の保存なしという少なくとも三つの違反行為に該当することになる。また、深夜早朝の点呼を実施する際に、対面点呼であるべきところを電話点呼をしていたのに対面と記載すれば、記録の改ざん・不実記載という違反行為にも該当する。

高速バスの事故のように、いったん重大事故が発生すると点呼のあり方が必ず議論される。そうするとさらに規制が厳しくなるという繰り返しが続いている。大変難しい問題ではあるが、バスもトラックも輸送の安全を考えるとき、形式論ばかりに流されず、点呼そのものについて、もう少し突っ込んだ検討がされるべきだと思うのだがどうだろうか。

次回は「乗務等の記録」について考えてみたい。
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